箕山スポーツ医学塾(File №5): Repetitive Ankle sprain(反復性の足関節捻挫)

【箕山クリニックDoctor】
問題(case study)
 Repetitive Ankle sprain(反復性の足関節捻挫)で、ATFL(前距腓靭帯)は、ほぼ消失してしまっていると考えられる選手が、再び足関節の内返し捻挫で前外側に重度の腫脹(重症度=3度レベル)をきたしました。
 さて、どの程度の期間で試合に復帰する事が可能でしょうか?
 但し今回の場合は、伸筋群strain(挫傷)、関節内血腫、内側bone bruise(骨挫傷)、関節軟骨損傷、三角骨痛などの合併損傷はないものとします。
※試合復帰の目安を 1度:1~2週  2度:2~3週  3度:3~6週 としてお考えください。

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【投稿コメント:M’s AT project Athletic Trainer】
 自分が見てきた選手でATFL(前距腓靭帯)が消失してしまっている選手が、足関節捻挫(内返し)を受傷した場合は、受傷後も腫れない、あるいは内返しを制動できないので、内側の骨がぶつかって内側に疼痛を訴える場合が多かったような感じがします。
 しかし今回の症例は、内側bone bruise(骨挫傷)などの合併損傷はないということですので、既に外側に損傷する靭帯が無い事、また足関節の捻挫の場合は、多少の無理をしてもプレーする事ができる怪我(勿論程度にはよりますが)だという事を考えると、腫脹の程度が損傷の程度を表しているとは考えられないとおもいます。
合併損傷が無い事が確認できれば、問診により、受傷後の荷重がどの程度出来ていたかによって復帰に必要な期間は推測できると思います。これらを踏まえると場合によっては1~2週での競技復帰も可能ではないかと思います。

【箕山クリニックDoctor】
私の経験では、約1週での競技復帰は可能ではないかと考えております。
内反を制御する靭帯(ATFL(前距腓靭帯))がすでに存在していないため、関節包や皮下組織が一部損傷します。それによって腫脹は大きくなりますが、毛細血管の破綻による内出血だけなのか、靭帯損傷による腫脹よりも減少しやすい印象があります。
通常の足関節捻挫と違い靭帯の修復を待つことなく、腫脹が引いてしまえば疼痛も激減し、ROM(関節可動域)も問題なく、すぐに運動できるようになります。受傷3日後よりjoggingが可能です。
但し、受傷後48~72時間のRICE処置(詳細下記)、とくにテーピングやバンテージによる軽度固定とU字パッドによる圧迫を徹底することが絶対条件です。

**RICE処置**
RICEとは『Rest(安静)』『Ice(冷却)』『Compression(圧迫)』『Elevation(挙上)』の頭文字をとったものです。
怪我をしてしまったら、できる限り患部の安静を保ちます(Rest)。次に患部を氷で冷やしながら(Ice)、軽く圧迫をします(Compression)、患部は心臓よりも高い位置に挙げておきます(Elevation)。

受傷直後からアイシングを20分⇒40分圧迫のサイクルを48時間~72時間できるだけたくさん繰り返します。
※ 水道水を冷凍庫で凍らせた、表面が乾いた氷を使うと凍傷になってしまいますので、冷凍庫の氷の場合は直接肌につけてアイシングしないよう御注意ください