箕山スポーツ医学塾(File №21):有鈎骨骨折(疲労骨折)hook of hamate fracture

 解剖学的部位(Kaplanのcardinal line=[手掌𣓤側縁と母指尺側縁の交点から、中央手掌ヒダに並行に引いた線]と環指尺側縁の延長線が交わった所)に圧痛がみられます。
 Pull Test(環・小指を屈曲させ、手関節を尺屈させると疼痛が誘発される) は感受性が高いとされていますが、hookは環・小指屈筋腱の滑車の役割をしているので、尺屈させなくても抵抗下に疼痛が誘発されます。
 hookは小指球筋の起始部であるため、小指外転抵抗下にも疼痛は誘発されます。
 尺側手根屈筋は、豆状骨に停止したあと腱性にhookにも付着しているため、経験例では同筋の抵抗下にも誘発痛がありました。

注:疼痛は、Guyon管を走行する尺骨神経に沿って放散するためか、hookの位置ではなく、手関節尺側に訴えます。したがって、TFCC損傷と間違えないよう注意が必要です。

当院では、これまでに4例経験しました。
野球:1例  テニス:1例  サーカス(プロ):1例  一般外傷(転倒で手掌をついた):1例


画像のように、適切なポジションで撮影できるとレントゲン画像のみで確定診断は可能です。